沿線と住環境と消費財

僕の仕事、まるで兵隊みたいだな…いつからかそんなことを感じるようになった。

 

同業であればご理解いただけるだろうが、月曜日は千葉、火曜日は埼玉、水曜日は神奈川、木金は出張へ。

こんなことも往々にして起こりえる。

往査なんてのは兵隊みたいなもので指定された場所に自ら出向くのみ。

リモートで仕事ができる体制を整えた会社はそれなりの数あるのだろうが、絶対数で見ればまだまだ本のごく一部だし、リモートで監査ができるほど資料が整っている会社はそのさらにごく一部であろう。結局のところ、バウチング一つとっても現地へ出向くことが基本となるのだ。(そもそもそこまで環境整ってるならさっさとAIが代替してくれているであろう)

こうなってくると、住職近接なんて話は成立しない。

勿論事務所というベースキャンプが存在するので、このベースキャンプ近くに居を構えるというのも一つだし、えらくなればなるほどこのベースキャンプに寄る、滞在する時間、必要性は高く、長くなるだろうが、どうしても広域移動を伴うことになる。

何が言いたいかというと職業柄東京メトロ都営地下鉄だけではカバーしきれずどうしてもJRを使う必要が出てくる。まして長距離を移動するとなればJR同士の乗り継ぎも多々発生することから、個人的に(事務所エリアの近くは極めて価格が高く、コストパフォーマンスを考るなら)この商売をしている限りはなにがしかJRの駅の近くに居を構えることが望ましいのではないか、と考えてしまう。

その根底には僕が田舎者で国鉄しかないようなエリア出身者であるという面もあるだろう。

 

だがしかし、ここで一つ問題が。

特に山手線やその内側を走る中央・総武線エリアの駅近で住環境のクリアランスがばっちり取れる、ないしは大規模マンションは非常に少ないように思う。

無論ないというつもりはないがあったとしてもとても手が届かないような価格のものがほとんどである。

 

昨日、大塚駅徒歩数分のとある物件の坪単価が500万超ということで度肝を抜かれたわけだが、特段住環境に優れているわけではなく、単にJRの駅が近いだけでこれだけの価格を出すべきか。

僕のようなJR、山の手線信者ですらNOである。

そもそも坪400を超えるような建物であれば、まともな面積を買おうとしたらそれだけで8千万↑である。

自宅なんてのは消費財なわけだから、大した性能があるわけでも、工夫があるわけでもないような機能のすぐれない消費財に、これだけの価格を出すのは現状合理性を感じない。

給与水準が上がらない以上、給与を得るために便利だからという理由で、何の工夫もない住戸をそれだけの金額を出して買うことには抵抗があるのだ。